ベクトルの平行条件とその証明!平行なベクトルをマスターしよう!

ベクトルの平行条件とその証明!平行なベクトルをマスターしよう!

今回解決する悩み

「ベクトルの平行ってなに?」
「平行なベクトルをどう表すの?」

今回は数学Bのベクトルから「ベクトルの平行条件」に関するこんな悩みを解決します。

高校生
ベクトルを習い始めたばかりで…

 

2つのベクトルが平行のとき、以下の式が成り立ちます。

ベクトルの平行条件

ベクトルの平行

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1}),\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)があるとき、実数\(k\)を用いて

\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a} \cdots①\]

が成り立つ。

また、

\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0 \cdots②\]

も成り立つ。

ベクトルが平行ならば、大きさが同じになるように\(k\)倍して調整できるということです。

 

今回はベクトルの平行条件について詳しく解説していきます。

平行条件の証明や練習問題の紹介など、盛りだくさんながらも分かりやすく説明していきますので、ぜひ最後まで読んで、理解を深めてくださいね!

※本ページは学習アプリのプロモーションが含まれています。

シータ
ベクトルが苦手な方は
ぜひ最後までご覧ください。

マストラ運営者プロフィール

ライター紹介

国公立の教育大学を卒業
数学講師歴8年目に突入
教えた生徒の人数は300人以上

それではベクトルの平行条件について解説していきましょう。

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目次

ベクトルの平行条件

ベクトルの平行

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1}),\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)があるとき、実数\(k\)を用いて

\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a} \cdots①\]

が成り立つ。

また、

\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0 \cdots②\]

も成り立つ。

ここで、\(k\)の値が0より大きいときは、\(\vec{a}\)と\(\vec{b}\)は同じ向きに平行。
\(k\)の値が0より小さいときは、\(\vec{a}\)と\(\vec{b}\)は逆向きに平行です。

平行条件の証明

先ほど紹介した平行条件について、証明していきます。

まずは、ベクトルの平行条件を復習します。

ベクトルの平行

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1}),\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)があるとき、実数\(k\)を用いて

\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a} \cdots①\]

\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0 \cdots②\]

まず、\(\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a}…①\)を証明していきます。

次に、\(\vec{b}=k\vec{a} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0…②\)を証明します。

aベクトルに平行な単位ベクトル

ここからは平行な単位ベクトルについて解説します。

基礎問題としてテストなどで出題されます。よく理解しておきましょう。

まずは、単位ベクトルについて復習しましょう。
単位ベクトルとは、大きさが1のベクトルです。

単位ベクトル

単位ベクトルの定義をおさえながら、例題を見ていきます。

例題

\(\vec{a}=(2,-1)\)に平行な単位ベクトル\(\vec{t}\)を求めましょう。

求めたい単位ベクトルを\(\vec{t}=(x,y)\)とします。

単位ベクトルですので\(|\vec{t}|=1\)であることから、

\[x^{2}+y^{2}=1\]

また、

\begin{eqnarray}
x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}&=&0\\
2\times y-x\times\left(-1\right)&=&0\\
2y+x&=&0\\
x&=&-2y
\end{eqnarray}

先ほどの、\(x^{2}+y^{2}=1\)を使って、

\begin{eqnarray}
(-2y)^{2}+y^{2}&=&1\\
5y^{2}&=&1\\
y^{2}&=&\frac{1}{5}\\
\displaystyle y&=&\pm \frac{1}{\sqrt5}\\
\displaystyle y&=&\pm \frac{\sqrt5}{5}
\end{eqnarray}

よって、求める単位ベクトルは、

\(\displaystyle \vec{t}=(-\frac{2\sqrt5}{5},\frac{\sqrt5}{5}),(\frac{2\sqrt5}{5},-\frac{\sqrt5}{5})\)

ベクトルの平行

1つのベクトルに対して平行なベクトルは2つありますので、両方とも答えになります。

 

高校生
この問題を解くのに色々な公式を使いましたね
シータ
この問題1つでベクトルの理解が深まるね!

平行条件を用いた練習問題

ここからは、平行条件を絡めたベクトルの練習問題を紹介していきます。
できるだけ丁寧に解説していきますので、ぜひ一緒に解いてみましょう。

練習問題①

\(\vec{a}=(2,3),\vec{b}=(6,k)\)とする。

このとき、\(\vec{a},\vec{b}\)が互いに平行となるような\(k\)の値を求めよう。

 

練習問題②

\(\vec{a}=(t,-4),\vec{b}=(6,8)\)とする。
このとき、\(\vec{a},\vec{b}\)が互いに平行となるような\(t\)の値を求めよう。

ベクトルの垂直条件

ベクトルの平行条件と合わせて、「ベクトルの垂直条件」についても確認しておきましょう

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}、\vec{b}\)があります。

ベクトルの垂直条件

このとき

\[\vec{a} \bot \vec{b} \Leftrightarrow \vec{a} \cdot \vec{b}=0 \Leftrightarrow x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0\]

別記事では、この垂直条件について証明・練習問題を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

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ベクトルの平行条件 まとめ

今回はベクトルの平行条件について学習しました。

まとめ

ベクトルの平行条件

ベクトルの平行

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1}),\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)があるとき、実数\(k\)を用いて

\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a} \cdots①\]

が成り立つ。

また、

\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0 \cdots②\]

も成り立つ。

ここで、\(k\)の値が0より大きいときは、\(\vec{a}\)と\(\vec{b}\)は同じ向きに平行。
\(k\)の値が0より小さいときは、\(\vec{a}\)と\(\vec{b}\)は逆向きに平行です。

 

ベクトルの平行条件でも内積は欠かせないので「ベクトルの内積」についてもしっかりと理解しておく必要があります。

ベクトルの内積はこちらの記事で詳しく解説しています。

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それでは最後までご覧いただきありがとうございました。

みんなの努力が報われますように!

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この記事を書いた人

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指導歴8年目の数学講師。大学1年生から塾講師バイトを始め、これまで300名以上を指導。オンライン家庭教師のご依頼・お申し込みは、こちらの公式アカウントから承っております。詳しいプロフィール

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