2次関数の最大値・最小値の求め方!範囲の場合分けで考える方法

2次関数の最大値・最小値の求め方!範囲の場合分けで考える方法

数学Ⅰ二次関数の中でも「二次関数の最大値・最小値」を求める問題は難しいですよね。

今回解決する悩み

「2次関数の最大値・最小値ってどうやって求めるの?」
「最大値・最小値の問題が苦手で…」

今回は2次関数の中でも「最大値・最小値」に関する悩みを解決します。

シータ

最大値・最小値の問題には大きく4つのタイプがあるよ!

「最大値・最小値を求める問題は難しい…」

そんな風に感じている方も多いと思います。

しかし安心してください!

実は、最大値・最小値の問題は大きく4つのパターンしかありません。

  1. 範囲がない場合
  2. 範囲がある場合
  3. 範囲に文字を含む場合
  4. 軸に文字を含む場合

※詳細は下の目次からジャンプしてね!

本記事では、2次関数の最大値・最小値の解き方をタイプ別に解説します。

自分の苦手な問題タイプの問題を探して、ぜひ解き方を学んでいってください。

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シータ

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ぜひ最後までご覧ください。

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目次

《復習》2次関数のグラフの書き方

2次関数のグラフの書き方

2次関数のグラフは以下の手順で書くことができます。

グラフを書く手順

  1. 軸・頂点を求める
  2. y軸との交点を求める
  3. 頂点とy軸に交点を滑らかに結ぶ

2次関数のグラフの書き方を詳しく知りたい方はこちらの記事からご覧ください。
2次関数のグラフの書き方を3ステップで解説!

シータ

グラフが書けないと最大値・最小値がイメージできないよ

2次関数の最大値・最小値

2次関数の最大値・最小値

2次関数の最大値と最小値の求め方を解説します。

最大値と最小値の問題は大きく分けて4つのタイプがあります。

最大値・最小値の4つのタイプ

  • 範囲がない場合
  • 範囲がある場合
  • 範囲に文字を含む場合
  • 軸に文字を含む場合

それぞれのパターンで最大値・最小値の求め方が異なるので、1つずつ読んでみてください。

範囲がない場合

まずは範囲(定義域)のない2次関数の最大値・最小値から解説します。

範囲がない場合というのは以下のような問題です。

範囲がない場合

次の2次関数に最大値、最小値があれば求めよう。

\(y=x^{2}-4x+3\)

\(y=-2x^{2}-4x\)

高校生

見たことあるけど解けませんでした…

シータ

これは基本問題なので必ず解けるようにしよう!

\(y=x^{2}-4x+3\)の最大値・最小値

まずは平方完成をしてグラフの軸と頂点を求めます。

\begin{eqnarray}
y&=&x^{2}-4x+3\\
&=&(x-2)^{2}-1
\end{eqnarray}

この関数はグラフにすると下図のようになります。

範囲のない場合1

よって、\(y\)は\(x=2\)で最小値-1をとります。

このグラフはずっと上方向に伸びてしまうので最大値はありません

このように定義域も文字も含まないパターンは、2次関数のグラフが書ければ簡単に最大値・最小値が求められます。

メモ

二次関数のグラフが書けない方は「2次関数における頂点と軸の求め方」からご覧ください。

\(y=-2x^{2}-4x\)の最大値・最小値

問題2も考えていきましょう。

関数の式を変形すると

\begin{eqnarray}
y&=&-2x^{2}-4x\\
&=&-2(x+1)^{2}+2
\end{eqnarray}

この関数はグラフにすると下図のようになります。

範囲のない場合2

よって、\(y\)は\(x=-1\)で最大値2をとり、グラフは永遠に下方向に伸びていくので最小値はありません

以上の2問のように定義域がない場合は、“グラフが最大値・最小値を持たない”こともあるので注意して下さい。

高校生

最大値や最小値がないこともあるんですね

範囲がある場合

次は定義域が与えられている場合を考えてみましょう。

範囲がある場合

\(y=x^{2}-4x+1 (0≦x≦3)\)

\(y=-2x^{2}+4x+3 (-1≦x≦0)\)

では、この2問を解説します。

\(y=x^{2}-4x+1 (0≦x≦3)\)の最大値・最小値

まずは関数を変形して、

\begin{eqnarray}
y&=&x^{2}-4x+1\\
&=&(x-2)^{2}-3
\end{eqnarray}

ここで\(0≦x≦3\)なので、グラフは下図の実践部分になります。

範囲のある場合1

このグラフの実践部分で最大なのは\(x=0\)のときの\(y=1\)

また、実践部分で最小なのが\(x=2\)のときの\(y=-3\)です。

したがって、

\(x=0\)のとき、最大値-1()
\(x=2\)のとき、最小値-3

\(y=-2x^{2}+4x+3 (-1≦x≦0)\)の最大値・最小値

まずは関数を変形して、

\begin{eqnarray}
y&=&-2x^{2}+4x+3\\
&=&-2(x-1)^{2}+5
\end{eqnarray}

ここで\(-1≦x≦0\)なので、グラフは下図の実践部分になります。

範囲のある場合2

このグラフの実践部分で最大なのは\(x=0\)のときの\(y=3\)

また、実践部分で最小なのが\(x=-1\)のときの\(y=-3\)です。

したがって、

\(x=0\)のとき、最大値3
\(x=-1\)のとき、最小値-3

定義域が定まっている場合も、2次関数のグラフを書くことができれば簡単に最大値・最小値を求めることができます。

範囲に文字を含む場合

範囲(定義域)に文字を含むというのは、以下のような問題のことです。

範囲に文字を含む場合

\(y=x^{2}-2x+3 (0≦x≦a)\)

見たところ範囲がある場合と同じに見えますが、よく見ると範囲に文字が含まれています。

この場合、\(a\)の値によって範囲が変化するため場合分けが必要です。

高校生

場合分け苦手だ、、できるかな

シータ

大丈夫だよ!図使って丁寧に解説するからじっくり読んで見て!

まずは関数を変形します。

\begin{eqnarray}
y&=&x^{2}-2x+3\\
&=&(x-1)^{2}+2
\end{eqnarray}

この問題では\(x\)の定義域が\(0≦x≦a\)でした。

ここで\(a\)の値を以下の4つに場合分けします。

4つの場合分け

  • \(a<1\)のとき
  • \(1≦a<2\)のとき
  • \(a=2\)のとき
  • \(2<a\)のとき

ここからかなり複雑になります。

難しそうに見えますが、落ち着いて読めばきっと理解できるので、ゆっくり読んでみて下さい。

\(a<1\)のとき

\(a<1\)のとき、定義域に含まれるグラフは下図のようになります。

範囲に文字を含む場合

\(a<1\)のとき、\(y=(x-1)^{2}+2\)の軸は定義域に含まれていません。

したがって、\(a<1\)のときの最大値、最小値は

\(x=0\)のとき、最大値3
\(x=a\)のとき、最小値\(a^{2}-2a+3\)

\(1≦a<2\)のとき

\(1≦a<2\)のとき、定義域に含まれるグラフは下図のようになります。

範囲に文字を含む場合1

\(1≦a<2\)のとき、\(y=(x-1)^{2}+2\)の軸が定義域に含まれています。なので頂点が最小値になることが図から分かります。

したがって、\(1≦a<2\)のときの最大値、最小値は

\(x=0\)のとき、最大値3
\(x=1\)のとき、最小値2

\(a=2\)のとき

\(a=2\)のとき、定義域に含まれるグラフは下図のようになります。

範囲に文字を含む場合2

\(a=2\)のとき、図から分かるように最大値をとる点が2つ存在します。

したがって、\(a=2\)のときの最大値、最小値は

\(x=0,2\)のとき、最大値3
\(x=1\)のとき、最小値2

\(2<a\)のとき

\(2<a\)のとき、定義域に含まれるグラフは下図のようになります。

範囲に文字を含む場合4

\(2<a\)のとき、定義域の右端が最大値をとるようになります。

したがって、\(2<a\)のときの最大値、最小値は

\(x=a\)のとき、最大値\(a^{2}-2a+3\)
\(x=1\)のとき、最小値2

したがって求める最大値、最小値は

解答

\(a<1\)のとき、最大値3、最小値\(a^{2}-2a+3\)

\(1≦a<2\)のとき、最大値3、最小値2

\(a=2\)のとき、最大値3、最小値2

\(2<a\)のとき、最大値\(a^{2}-2a+3\)、最小値2

この問題のポイントは、\(a\)の値によって最大値・最小値が変わってしまうことです。

文字では分かりづらい方もいると思うので、分かりやすい動画も貼っておきます。

参考

2次関数の最大・最小⑤ ・ 動く定義域編①

軸に文字を含む場合

最後は軸に文字を含む場合ですが、以下のような問題が出題されます。

軸に文字を含む場合

\(a\)は定数とする。関数\(y=2x^{2}-4ax(0≦x≦1)\)の最小値を、次の各場合について、それぞれ求めよう。

(1) \(a<0\)
(2) \(0≦a≦1\)
(3) \(1<a\)

まずは関数を変形します。

\begin{eqnarray}
y&=&2x^{2}-4ax\\
&=&2(x^{2}-2ax)\\
&=&2(x-a)^{2}-2a^{2}
\end{eqnarray}

ここで\(a\)の値によって、以下の3問を解いてみましょう。

(1) \(a<0\)
(2) \(0≦a≦1\)
(3) \(1<a\)

\(a<0\)の場合

\(a<0\)のとき、グラフは下図のようになります。

軸に文字を含む場合

\(a<0\)のとき、\(x=0\)で最小値をとります。

したがって、最小値は\(x=0\)のとき、最小値0

\(0≦a≦1\)の場合

\(0≦a≦1\)のとき、グラフは下図のようになります。

軸に文字を含む場合1

\(0≦a≦1\)のとき、\(x=a\)で最小値をとります。

したがって、最小値は\(x=a\)のとき、最小値\(-2a^{2}\)

\(1<a\)の場合

\(1<a\)のとき、グラフは下図のようになります。

軸に文字を含む場合2

\(1<a\)のとき、\(x=1\)で最小値をとります。

したがって、最小値は\(x=1\)のとき、最小値\(2-4a\)

解答

\(a<0\)のとき、最小値0

\(0≦a≦1\)のとき、最小値\(-2a^{2}\)

\(1<a\)のとき、最小値\(2-4a\)

このパターンもかなり複雑だったので、分かりやすい解説動画もつけておきます。

2次関数の最大・最小④ ・ 動く軸編

最大値・最小値《練習問題》

最大値・最小値《練習問題》

2次関数の最大値・最小値の求め方を4つのタイプに分けて解説しました。

4つのパターンを理解したところで、実際に最大値・最小値を求める練習をしてみましょう。

練習問題1

練習問題1

次の2次関数の最大値、最小値を求めよう。

\(y=x^{2}+2x+3 (-2≦x≦2)\)

まずは関数を変形します。

\begin{eqnarray}
y&=&x^{2}+2x+3\\
&=&(x+1)^{2}+2
\end{eqnarray}

ここで\(-2≦x≦2\)なので、グラフは下図の実践部分になります。

練習問題1

このグラフの実践部分で最大なのは\(x=2\)のときの\(y=11\)

また、実践部分で最小なのが\(x=-1\)のときの\(y=2\)です。

したがって、求める最大値、最小値は

\(x=2\)のとき、最大値11
\(x=-1\)のとき、最小値2

練習問題2

練習問題2

\(y=x^{2}-4x+1 (0≦x≦a)\)

まずは関数を変形します。

\begin{eqnarray}
y&=&x^{2}-4x+1\\
&=&(x-2)^{2}-3
\end{eqnarray}

ここで\(a\)の値によって、以下の4つの場合分けします。

  • \(0<a<2\)のとき
  • \(2≦a<4\)のとき
  • \(a=4\)のとき
  • \(4<a\)のとき

\(0<a<2\)のとき

\(0<a<2\)のとき、定義域に含まれるグラフは下図のようになります。

練習問題2

\(0<a<2\)のとき、\(y=(x-2)^{2}-3\)の軸は定義域に含まれていません。

したがって、\(0<a<2\)のときの最大値、最小値は

\(x=0\)のとき、最大値1
\(x=a\)のとき、最小値\(a^{2}-4a+1\)

\(2≦a<4\)のとき

\(2≦a<4\)のとき、定義域に含まれるグラフは下図のようになります。

練習問題2-1

\(2≦a<4\)のとき、最小値は頂点になることが図から分かります。

したがって、\(2≦a<4\)のときの最大値、最小値は

\(x=0\)のとき、最大値1
\(x=2\)のとき、最小値-3

\(a=4\)のとき

\(a=4\)のとき、定義域に含まれるグラフは下図のようになります。

練習問題2-2

\(a=4\)のとき、最大値をとる点が2つ存在します。

したがって、\(a=4\)のときの最大値、最小値は

\(x=0,4\)のとき、最大値1
\(x=2\)のとき、最小値-3

\(4<a\)のとき

\(4<a\)のとき、定義域に含まれるグラフは下図のようになります。

練習問題2-3

\(4<a\)のとき、最大値は右端の点になります。

したがって、\(4<a\)のときの最大値、最小値は

\(x=a\)のとき、最大値\(a^{2}-4a+1\)
\(x=2\)のとき、最小値-3

よって、\((0≦x≦a)\)における\(y=x^{2}-4x+1\)の最大値、最小値は

解答

\(0<a<2\)のとき、最大値1、最小値\(a^{2}-4a+1\)

\(2≦a<4\)のとき、最大値1、最小値-3

\(a=4\)のとき、最大値1、最小値-3

\(4<a\)のとき、最大値\(a^{2}-4a+1\)、最小値-3

2次関数のおすすめ勉強法

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2次関数は高校数学のなかでも解きやすい問題が多い単元です。

問題の意図をしっかり理解できれば、解法も思いつけるようになります。

次は2次関数のおすすめ勉強法を紹介します。

  • 教科書やノートを見直す
  • 問題集で応用力を磨く
  • 分かりやすい解説を見る

自分のいまの理解度と目標を照らし合わせて、自分に合った勉強法を試してみてください。

シータ

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教科書やノートを見直す

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まずは基本に立ち返って、教科書・ノートを見直してみましょう。

教科書には重要なポイントがギュッと詰まっています。

2次関数の基本は「2次関数の公式まとめ」にて解説しているのでご覧ください。

シータ

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問題集で応用力を磨く

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2次関数の関する公式に慣れてきたら、次は問題を解いて応用力を磨きましょう。

  1. 教科書の例題
  2. 問題集の基本問題
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2次関数の最大値・最小値 まとめ

今回は2次関数の最大値・最小値の求め方をまとめました。

最大値・最小値 まとめ

最大値・最小値の4パターン

  • 範囲がない場合
  • 範囲がある場合
  • 範囲に文字を含む場合
  • 軸に文字を含む場合

最大値・最小値はまずグラフを書くと解きやすくなる。

範囲や軸に文字を含む場合は場合分けが必要。

関数をみて最大値・最小値を判断するのは難しいです。
実際にグラフを書いてみると最大値・最小値がイメージがしやすくなります。

グラフの平行移動や2次関数の決定は以下の記事で解説しています。

2次関数を総復習したい方はこちらの記事がおすすめです。

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それでは最後までご覧いただきありがとうございました。

みんなの努力が報われますように!

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この記事を書いた人

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指導歴8年目の数学講師。大学1年生から塾講師バイトを始め、これまで300名以上を指導。オンライン家庭教師のご依頼・お申し込みは、こちらの公式アカウントから承っております。詳しいプロフィール

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