今回解決する悩み
「ベクトルの平行ってなに?」
「平行なベクトルをどう表すの?」
今回は数学Bのベクトルから「ベクトルの平行条件」に関するこんな悩みを解決します。
ベクトルを習い始めたばかりで…
2つのベクトルが平行のとき、以下の式が成り立ちます。
ベクトルの平行条件
0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1}),\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)があるとき、実数\(k\)を用いて
\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a} \cdots①\]
が成り立つ。
また、
\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0 \cdots②\]
も成り立つ。
ベクトルが平行ならば、大きさが同じになるように\(k\)倍して調整できるということです。
今回はベクトルの平行条件について詳しく解説していきます。
平行条件の証明や練習問題の紹介など、盛りだくさんながらも分かりやすく説明していきますので、ぜひ最後まで読んで、理解を深めてくださいね!
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ベクトルが苦手な方は
ぜひ最後までご覧ください。
それではベクトルの平行条件について解説していきましょう。
ベクトルの平行条件
0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1}),\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)があるとき、実数\(k\)を用いて
\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a} \cdots①\]
が成り立つ。
また、
\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0 \cdots②\]
も成り立つ。
ここで、\(k\)の値が0より大きいときは、\(\vec{a}\)と\(\vec{b}\)は同じ向きに平行。
\(k\)の値が0より小さいときは、\(\vec{a}\)と\(\vec{b}\)は逆向きに平行です。
平行条件の証明
先ほど紹介した平行条件について、証明していきます。
まずは、ベクトルの平行条件を復習します。
0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1}),\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)があるとき、実数\(k\)を用いて
\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a} \cdots①\]
\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0 \cdots②\]
まず、\(\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a}…①\)を証明していきます。
次に、\(\vec{b}=k\vec{a} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0…②\)を証明します。
aベクトルに平行な単位ベクトル
ここからは平行な単位ベクトルについて解説します。
基礎問題としてテストなどで出題されます。よく理解しておきましょう。
まずは、単位ベクトルについて復習しましょう。
単位ベクトルとは、大きさが1のベクトルです。
単位ベクトルの定義をおさえながら、例題を見ていきます。
例題
\(\vec{a}=(2,-1)\)に平行な単位ベクトル\(\vec{t}\)を求めましょう。
求めたい単位ベクトルを\(\vec{t}=(x,y)\)とします。
単位ベクトルですので\(|\vec{t}|=1\)であることから、
\[x^{2}+y^{2}=1\]
また、
\begin{eqnarray}
x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}&=&0\\
2\times y-x\times\left(-1\right)&=&0\\
2y+x&=&0\\
x&=&-2y
\end{eqnarray}
先ほどの、\(x^{2}+y^{2}=1\)を使って、
\begin{eqnarray}
(-2y)^{2}+y^{2}&=&1\\
5y^{2}&=&1\\
y^{2}&=&\frac{1}{5}\\
\displaystyle y&=&\pm \frac{1}{\sqrt5}\\
\displaystyle y&=&\pm \frac{\sqrt5}{5}
\end{eqnarray}
よって、求める単位ベクトルは、
\(\displaystyle \vec{t}=(-\frac{2\sqrt5}{5},\frac{\sqrt5}{5}),(\frac{2\sqrt5}{5},-\frac{\sqrt5}{5})\)
1つのベクトルに対して平行なベクトルは2つありますので、両方とも答えになります。
この問題を解くのに色々な公式を使いましたね
この問題1つでベクトルの理解が深まるね!
平行条件を用いた練習問題
ここからは、平行条件を絡めたベクトルの練習問題を紹介していきます。
できるだけ丁寧に解説していきますので、ぜひ一緒に解いてみましょう。
練習問題①
\(\vec{a}=(2,3),\vec{b}=(6,k)\)とする。
このとき、\(\vec{a},\vec{b}\)が互いに平行となるような\(k\)の値を求めよう。
練習問題②
\(\vec{a}=(t,-4),\vec{b}=(6,8)\)とする。
このとき、\(\vec{a},\vec{b}\)が互いに平行となるような\(t\)の値を求めよう。
ベクトルの垂直条件
ベクトルの平行条件と合わせて、「ベクトルの垂直条件」についても確認しておきましょう。
0ではない2つのベクトル\(\vec{a}、\vec{b}\)があります。
このとき
\[\vec{a} \bot \vec{b} \Leftrightarrow \vec{a} \cdot \vec{b}=0 \Leftrightarrow x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0\]
別記事では、この垂直条件について証明・練習問題を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
ベクトルの平行条件 まとめ
今回はベクトルの平行条件について学習しました。
まとめ
ベクトルの平行条件
0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1}),\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)があるとき、実数\(k\)を用いて
\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a} \cdots①\]
が成り立つ。
また、
\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0 \cdots②\]
も成り立つ。
ここで、\(k\)の値が0より大きいときは、\(\vec{a}\)と\(\vec{b}\)は同じ向きに平行。
\(k\)の値が0より小さいときは、\(\vec{a}\)と\(\vec{b}\)は逆向きに平行です。
ベクトルの平行条件でも内積は欠かせないので「ベクトルの内積」についてもしっかりと理解しておく必要があります。
ベクトルの内積はこちらの記事で詳しく解説しています。
それでは最後までご覧いただきありがとうございました。
みんなの努力が報われますように!
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