底の変換公式について解説!証明と底を決めるコツが分かる!

底の変換公式について解説!証明と底を決めるコツが分かる!

logab の底を c に変換して計算します。
a, b, c を入力後、算出ボタンクリックしてください。

底の変換公式:logab = logcblogca より、
log = loglog = となる。

高校生

計算に困っていたので助かりました!

今回は底の変換に関する悩みを解決します。

「底の変換公式を忘れてしまった」
「底の変換を使った計算が苦手」

高校生

対数の計算が苦手で…

悩む学生

対数は底の値が同じでないと計算することができません。

\[log_{2}3 + log_{4}3\]

\[log_{2}3 \cdot log_{3}8\]

そこで対数の底を都合のよい値に変換できるのが「底の変換公式」です。

底の変換公式

\(a,b,c>0、a,c≠1\)のとき

\[\displaystyle log_{a}b=\frac{log_{c}b}{log_{c}a}\]

この公式を知らないと解けない問題が結構あります。

もし底の変換公式に慣れていないならば、いますぐ習得することをおすすめします。

本記事では底の変換公式について証明や使い方を解説しました。

様々なパターンの問題を用意したので、この記事を読んで底の変換公式に慣れましょう。

目次

底の変換公式

底の変換公式は対数logの重要な公式の1つです。

底の変換公式

\(a,b,c>0、a,c≠1\)のとき

\[\displaystyle log_{a}b=\frac{log_{c}b}{log_{c}a}\]

以下のような対数の計算があったとしましょう。

次の計算を求めよう。

\[\displaystyle log_{2}3 \cdot log_{3}4\]

これらは対数の底が異なるので、このままでは積を求めることができません。

そこで底の変換公式の出番です。

\[\displaystyle log_{3}4=\frac{log_{2}4}{log_{2}3}=\frac{2}{log_{2}3}\]

底の変換公式を使えば、底を計算の都合がよい値に変換することができるのです。

この問題では、対数の底を2に変換して積を求めましょう。

\begin{eqnarray}
\displaystyle log_{2}3 \cdot log_{3}4&=&log_{2}3 \cdot \frac{2}{log_{2}3}\\
&=&2
\end{eqnarray}

このように底の変換公式を用いることで、対数の計算がスムーズにできるようになります。

非常に重要な公式なので必ず覚えておきましょう。

底の変換公式の覚え方
シータ

難しい公式ではないので、覚えてしまおう

高校生

どうして底を変えることができるのですか?

底の変換公式の証明

底の変換公式が成り立つことの証明をします。

なぜ底を変換できるのか、その仕組みを理解しておくことで応用もできます。

\(a\)を底とする対数\(log_{a}b\)を、\(c\)を底とする対数で表します。

\(log_{a}b=p\)とすると、 \(b=a^{p}\)

ここで\(c\)を底とする対数をとると、

\[log_{c}b=plog_{c}a\]

\(a≠1\)より、\(log_{c}a≠0\)なので

\[\displaystyle p=\frac{log_{c}b}{log_{c}a}\]

したがって、底の変換公式を示すことができました。

ポイントは対数で表していた\(log_{a}b=p\)を、\(b=a^{p}\)に変形するところです。

対数表記から指数表記へとスムーズに変えられるように慣れておきましょう。

シータ

cを底とする対数をとるのがポイントだね

底を変換するときのコツ

「変換公式は知っているけれど、底を何に変換すれば良いのか分からない。」

きっと、こんな方も多いですよね。

高校生

公式は分かるけど、式変形が思いつかないです…

底を変換するときのコツは「底を同じにする」ことです。

底が同じであれば対数でも計算できるので、底が同じになるように変換公式を使いましょう。

このとき、底を何にしないと解けないなんてことはありません。

ただ、底は問題のなかの対数にそろえると、計算がスムーズになる場合が多いです。

高校生

問題に含まれている対数の底で合わせるのが良いんですね!

シータ

あまりにも変な底にすると、そのあと計算が大変になるので注意です

底の変換公式を使った問題

底の変換公式を使った問題を3つ解説します。

底の変換公式を使った問題

  1. 対数の積を求める問題
  2. 真数にルートを含む問題
  3. 分母・分子の底が異なる問題

対数のよくある問題を選んだので、それぞれの解き方を覚えておきましょう。

シータ

これらの複合問題が出ることもあるよ

対数の積を求める問題

対数の積

次の式を簡単にしよう。

\[log_{2}3 \cdot log_{3}8\]

このままでは見た目が悪いので、底の変換公式を用いて簡単な式にします。

\begin{eqnarray}
\displaystyle log_{2}3 \cdot log_{3}8&=&log_{2}3 \times \frac{log_{2}8}{log_{2}3}\\
&=&log_{2}8\\
&=&log_{2}2^{3}\\
&=&3
\end{eqnarray}

これで簡単に表すことができました。

変換するときのポイントは「底を同じにする」ことです。

この問題には\(log_{2}3\)と\(log_{3}8\)があり、底を2か3のどちらに合わせるか迷いますね。

\(log_{3}8\)を\(log_{2}8\)にできると計算が楽そうなので、今回は底が2になるようにしました。

高校生

底をいくつに変換するかも大事なんですね!

シータ

計算がとても簡単になることが多いよ

真数にルートを含む問題

以下のように真数にルートを含む問題もあります。

ルートを含む問題

次の式を簡単にしよう。

\[log_{9}\sqrt{27}\]

ルートがあると拒絶反応が出てしまう人もいますよね。

まずは以下の公式を確実に覚えておきましょう。

指数法則ルート

\[\displaystyle \sqrt{a}=a^{\frac{1}{2}}\]

すると、与えられた式は

\[log_{9}\sqrt{27}=log_{9}27^{\frac{1}{2}}\]

となります。

ここからは底の変換公式を使って、式を簡単にしていきましょう。

\begin{eqnarray}
\displaystyle log_{9}\sqrt{27}&=&log_{9}27^{\frac{1}{2}}\\
&=&\frac{1}{2}log_{9}27\\
\displaystyle &=&\frac{1}{2} \cdot \frac{log_{3}27}{log_{3}9}\\
\displaystyle &=&\frac{1}{2} \cdot \frac{3}{2}\\
\displaystyle &=&\frac{3}{4}
\end{eqnarray}

底を3に変換することでかなり計算がしやすくなりました。

参考

指数法則を使うと対数の計算がしやすくなります。

>>指数法則の重要な公式8選!

シータ

ルートがあっても恐れる必要はないよ!

分母と分子の底が異なる問題

分数の問題

次の式を簡単にしよう。

\[\displaystyle \frac{log_{2}5}{log_{3}5}\]

これは分母・分子の底が異なるので、このままでは何もできそうにありません、

そこで底の変換公式を用いて、分母・分子の底を同じにします。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{log_{2}5}{log_{3}5}&=&log_{2}5 \cdot \frac{1}{log_{3}5}\\
\displaystyle &=&log_{2}5 \cdot \frac{1}{\frac{log_{2}5}{log_{2}3}}\\
\displaystyle &=&log_{2}5 \cdot \frac{log_{2}3}{log_{2}5}\\
\displaystyle &=&log_{2}3\\
\end{eqnarray}

分母・分子が対数のときは、底の変換公式を使って簡単にするようにしましょう。

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底の変換公式《練習問題》

練習問題

底の変換公式を使って練習問題に挑戦してみましょう。

以下が今回の練習問題です。

練習問題

次の計算をしてみよう。

(1)\(log_{2}3 \cdot log_{3}4 \cdot log_{4}5\)

(2)\(log_{4}\sqrt{8}\)

(3)\(\displaystyle \frac{3}{log_{9}3}\)

シータ

頭の中で方針を考えるだけでも練習になるよ

練習問題1の解説

それでは練習問題の解説をしていきましょう。

練習問題

次の計算をしてみよう。

(1)\(log_{2}3 \cdot log_{3}4 \cdot log_{4}5\)

これは底の変換公式を活用する典型的な問題です。

\begin{eqnarray}
&&log_{2}3 \cdot log_{3}4 \cdot log_{4}5\\
&=&log_{2}3 \cdot \dfrac{log_{2}4}{log_{2}3} \cdot \dfrac{log_{2}5}{log_{2}4}\\
&=&log_{2}5
\end{eqnarray}

このタイプの問題はすぐに手が動かせるようにしておきましょう。

シータ

底の異なる対数のかけ算が目印です

練習問題2の解説

練習問題

次の式を簡単にしよう。

(2)\(log_{4}\sqrt{8}\)

真数にルートがあるタイプの問題です。

\begin{eqnarray}
log_{4}\sqrt{8}&=&log_{4}8^{\frac{1}{2}}\\
\displaystyle &=&\frac{1}{2}log_{4}8
\end{eqnarray}

ルートがいなくなったところで、さらに式を簡単にしていきます

\begin{eqnarray}
&=&\frac{1}{2}log_{4}8\\
\displaystyle &=&\frac{1}{2}log_{4}2^{3}\\
\displaystyle &=&\frac{3}{2}log_{4}2
\end{eqnarray}

これで完成に見えますが、実はもっと簡単にできます。

\begin{eqnarray}
\displaystyle &=&\frac{3}{2}log_{4}2\\
\displaystyle &=&\frac{3}{2} \cdot \frac{log_{2}2}{log_{2}4}\\
\displaystyle &=&\frac{3}{2} \cdot \frac{1}{2}\\
\displaystyle &=&\frac{3}{4}
\end{eqnarray}

高校生

こんなに簡単な形になりました!

シータ

まだ変形できないかを考えるようにしよう!

練習問題3の解説

最後は対数を含む分数の問題です。

練習問題

次の計算をしてみよう。

(3)\(\displaystyle \frac{3}{log_{9}3}\)

分母を底を3とする対数に変換します。

\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{3}{log_{9}3}&=&\frac{3}{\frac{log_{3}3}{log_{3}9}}\\
\displaystyle &=&3 \cdot \frac{2}{1}\\
&=&6
\end{eqnarray}

\(\log_{9}3\)や\(log_{4}2\)のような、底が真数の累乗になっているとき

\[\displaystyle log_{9}3=\frac{1}{2}\]

\[\displaystyle log_{4}2=\frac{1}{2}\]

このように簡単な形で表すことができます。

高校生

これなら気付きそうだし便利ですね!

底の変換公式 まとめ

今回は対数logにおける底の変換公式についてまとめました。

底の変換公式 まとめ

底の変換公式

\(a,b,c>0、a,c≠1\)のとき

\[\displaystyle log_{a}b=\frac{log_{c}b}{log_{c}a}\]

底を変換するときのコツは「底を同じにすること」です。

どう変換していいのか分からないときは、対数の底が同じになるようにしてみましょう。

今回は対数の底の変換公式について解説しましたが、対数には覚えておきたい公式がいくつかあります。

対数の計算公式についてはこちらの記事でまとめています。

>>対数とは?logの意味と必ず覚えておきたい公式を解説!

定期テストに向けて指数・対数の復習をするならこちらの記事がおすすめです。

>>指数関数・対数関数logの公式や性質を徹底解説!

指数関数・対数関数のまとめ記事へ

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この記事を書いた人

当サイトの運営者。
指導歴8年目の数学講師。大学1年生から塾講師バイトを始め、これまで300名以上を指導。オンライン家庭教師のご依頼・お申し込みは、こちらの公式アカウントから承っております。詳しいプロフィール

コメント

コメント一覧 (0件)

  • 練習問題3のlogが分母になっている問題は、答えが2ではなく6だと思います。
    また、その下の補足についてもlog(9)3は1/2になると思います。

    • お知らせ頂きありがとうございました。
      さっそく修正させていただきました。
      今後ともよろしくお願いいたします。

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